皆さんこんにちは!

パイント君です。

 
これから(不定期ですが)『ロンドン日記』を書いていこうかと。

子供の頃から街角観察者をやってるんですが、この街はネタに事欠きません笑

 
では早速。

第1回は、「ロンドンの商店街」をテーマに話そうと思います。

 

「ハイストリート」とは?

ロンドンはヨーロッパの中ではケタ外れに大きい都市でありまして。

金融街として有名な「シティー」と12区から成る内側の「インナーロンドン」。

これが大体、東京の山手線の内側の5倍の面積があります。

そして、外側の20区で構成される「アウターロンドン」。

 
これら「インナーロンドン」と「アウターロンドン」を合わせたのが「グレーターロンドン」。

環状高速道路M25線の内側とほぼ一致し、人口は800万人を超えます。

パリの人口が200万人ちょいであることを考えても、いかに巨大かが分かるでしょう。

(ただし、さらに広い“首都圏”レベルで見ると、パリ+周辺地域の圧勝)

 
パイント君は、ロンドンのかなりの数の区をほっつき歩いたりドライブしたりしましたが。

時代の趨勢でしょうか、大きな商店街も小さな商店街も、絵ヅラ的にはどこも似たり寄ったりです。

大資本のスーパーやチェーン店がイギリスの隅々にまで行き渡り、ストリートごとの個性が失われてきているのです。

まあ、これは日本を含め、どの先進国も似たような状況だとは思いますが。

ここ15年ほどで大きく変わりましたね!

 
イギリスでは、商店街のことを「ハイストリート(high street)」と言います。

規模はあまり問いません。

オックスフォードサーカスのような、いわゆる目抜き通りから、地方の1本しかないメインストリートまで。

店がある程度集まっている通りであれば、立派なハイストリートです。

 
で、典型的なハイストリートにはどのような店があるのか?

 
パイント君は長年の観察の結果、次のような結論に至りました。

5軒以上の店舗が並んでいる場合の定番

ニュースエージェント(Newsagent’s)/コンビニ(Convenience Store)
ニュースエージェントは、いわば街角のよろず屋ですね。

名前の通り新聞・雑誌のみならず、ちょっとした食品や飲み物、駄菓子、タバコ、日用品、文房具、おもちゃ、宝くじなど、何でも売っています。

オフライセンス(酒類販売免許)を持っている店であれば、お酒も買えます。

また、ロンドンの公共交通機関の非接触ICカード「オイスターカード(Oyster Card)」の残高補充ができる店も多い。

 
最近は有力スーパーがコンビニ型店舗に力を入れているせいもあって、ニュースエージェントは押され気味かも。

両者の違いは、コンビニの方は食品の比重が圧倒的に大きいことかな?

特にスーパー系コンビニは大型店舗に行かなくても同じものが買えるので、その利便性の高さから増殖してます。

ただ、ニュースエージェントがコンビニに鞍替えするケースもあって、両者の差は曖昧になってきていますが。

後で出てくる、薬屋を兼ねたような店もあります。

 
ケバブ屋(Kebab House)
ケバブなしにイギリス人の生活は成り立ちません。

大半の店がフィッシュ&チップスやハンバーガー、フライドチキン、ピザも提供するため、人種を選ばないのがミソ。

隣同士がケバブ屋なんてこともザラです。

日本でもよく知られている「フィッシュ&チップス」専門店は、実はそれほど見かけません。

移民の増加や嗜好の多様化に伴い、“大は小を兼ねる”でケバブ屋に吸収される形になったのかも。

何しろ24時間営業している店もあるので。

夜遊びなどで小腹が空いた時に、食べる場所・モノの選択肢が極端に少ない中で、非常にありがたい存在です。

 
ブックメーカー(Bookmaker)
イギリスのハイストリート最大の特色と言っても過言ではありませぬ!

最近は、その名前が日本でも知られてきたかも。

期待のスポーツ選手やチームが重要な大会を控えている時、スポーツ新聞などで「オッズが何倍」とか書かれていません?

アレです。

賭けの対象はサッカーの試合から相撲の取組、アメリカ大統領選挙まで、ありとあらゆる出来事と言っていいでしょう。

下手なアナリストや評論家より予想は的確です。

サッカーの試合ひとつ取ってみても。

どちらのチームが勝つか(あるいは引き分けか)だけでなく、両チームの合計点数が何点未満か、残り時間で何ゴール入るかなど、何十パターンもある。

 
代表的なブランドは、「ラドブロークス(Ladbrokes)」「コーラル(Coral)」「ウィリアム・ヒル(William Hill)」「ベットフェア(Betfair)」「パディ・パワー(Paddy Power)」などなど。
とにかく、呆れるくらい異常な数の店舗があります。

最近はオンライン・ブックメーカーの人気が非常に高いので、実店舗は苦戦してるかもですが。

 
薬屋(Pharmacy, Chemist, Drugstore)
通りが賑やかになる程、おなじみ「ブーツ(Boots)」の出店が目立ってきます。

 
パブ(Pub)
イギリスと言えばパブ!

まさに1ブロックに1軒の勢いで見つかりますが、最近は家飲みが増えたせいで、急速に減ってきてます。

ウチの近所の長屋は両端がパブだったけど、現在は両方とも閉鎖中です苦笑。

格安パブチェーンのJDウェザースプーンに買い取られてファミレス化しているパターン、

2階のレストランをオシャレにして生意気な値段の食事を出すパターン、

クラフトビールを提供して差別化を図るパターン(パブの多くはビール会社が経営しているので銘柄が偏っていることが多い)など。

各店舗が生き残りを賭けて知恵を絞ってます。

 

10軒以上の店舗が並んでいる場合の定番

上の5つに加えて、次の5つを挙げてみます。

床屋/美容院(Barber, Hair Salon)
特定の人種の溜まり場になってることが多い。

チェーン店だと、例の「トニー&ガイ(Toni & Guy)」などがあります。
 
クリーニング屋(Dry Cleaner’s)
まあ、当然といえば当然の存在。

クリーニングに出す時は「Hang or fold?」と聞かれるのことが多いので。
ハンガーに掛けて欲しい場合は「Hang please」
畳んで欲しい場合は「Fold please」
と答えましょう!

 
日焼けサロン(Tanning Salon, Sun Bed)
日サロはそこら中にあります。

イギリス人の日光、日焼けに対する執着心が見て取れます。

 
カフェ/レストラン(Cafe / Restaurant)
カフェかレストランかその中間みたいなローカル店が、かなりの頻度で見つかる。

カフェはうらぶれた食堂のようなものから、

「コスタ(Costa)」「カッフェネロ(Caffe Nero)」などのコーヒーチェーン店、

個性的・おしゃれなマッタリ系まで、

地域・ストリートによって実に千差万別。

地元の労働者が集まるカフェであれば、まず間違いなくイングリッシュ・ブレックファストにありつける。

 
レストランは地域にもよるが、インドや中華、イタリア系が多いかな。

安っぽい店でも、最近はけっこう生意気な値段だったりする。

 
中華テイクアウト(Chinese Takeaway)
世界共通の風景。

中国人は味の分からないヨーロピアン相手に全力を出すことはまずないので、日本レベルの出来を期待してはいけない。

値段も意外と安くないです(タッパーにぎっしり詰まっていて量は多いが)。

ただ、遅くまで開いている店が多いので、アジア人として救われた気分になることもしばしば。

流石にケバブばっかじゃね〜

 

その他の定番ショップ

以下も高い頻度で見掛けます♡

 
携帯電話ショップ(Mobile Store)
NTTドコモのような位置付けだった(現在はスペイン・テレフォニカの傘下)O2、フランステレコム系のオレンジとドイツテレコム系のTモバイルが合体したEE、ボーダフォン、中国系の3の4社に代表されるキャリア系。

様々なキャリアを扱う小売りチェーンのカーフォンウェアハウス(Carphone Warehouse)など。
移民を相手にする格安SIMショップもあります。

 
不動産屋(Estate Agent, Letting Agent)
日本と同じですが、適当感満載です。

「フラット探し」を読んでみて下さい!

 
合鍵・靴修理屋(Shoe Repair, Key Cutting)
日本と同じく、大抵は両方やってます。

 
八百屋(Grocery Store)
これが結構あるのよー。

近くにスーパーやコンビニがあっても。

 
魚屋(Fishmonger’s)
昔はよく見掛けましたが、急速に減っている印象。

日本と同じですね。

 
チャリティーショップ(Charity Shop)
チャリティー団体が運営する中古品の販売店で、これもイギリスらしい存在。

寄付された品物を取り扱ってるのがミソで、結構、掘り出し物が見つかります。

売り上げは慈善活動に充てられるから、買えば社会貢献になりますよ!

自分の要らないものを持ち込んで、寄付することもできます。

代表的なのは「オックスファム(Oxpahm)」。
 
コインランドリー(Laundrette)
1985年の映画『マイ・ビューティフル・ランドレット(My Beautiful Laundrette)』を是非見てね!

洋品店/靴屋(Clothing Store / Shoe Store)
移民街は例えばサリーが売ってたり、バッタもんが堂々と売られてたりします。

 
本屋(Bookstore)
チェーン店だと「WHスミス(WHSmith)」とか「ウォーターストーンズ(Waterstones)」が代表選手。
 
文房具店(Stationery Shop)
チェーン店だと「ライマン(Ryman)」とかが代表選手。

 
金物屋(Hardware Store, DIY Store)
チェーン店だとロバート・ダイアス(Robert Dyas)とかが代表選手。

日本のホームセンターに相当する大型店舗なら、「B&O」とか「ホームベース(Homebase)」とか。
 
花屋(Florist)
ご想像通りです。

 
郵便局(Post Office)
ロイヤル・メール(Royal Mail)が運営。

ニュースエージェントの店内に窓口がある場合もアリ。

 
銀行/ATM
壁にATMがくっついているだけのパターンも多い。

銀行系のATMは他行のカードでも手数料がかからないが、インターバンクネットワークの「リンク(Link)」だと手数料を取られるので要注意。

何しろ、24時間いつでも現金が引き出せるのはありがたい。

この点は、日本だけがむしろ例外です。

 

やっぱりパブ・ブックメーカー・チャリティーショップ

…とりあえず、こんな感じかな?

ロンドンというかイギリス独特の店を3つ挙げるとすれば、やっぱり

「パブ」

「ブックメーカー」

「チャリティーショップ」

ということになるでしょうか?

 
「ニュースエージェント」も日本の駄菓子屋みたいな風情があり、捨てがたいですね。

「ケバブ屋」はたこ焼き屋みたく、地元の小中学生が下校時にチップスを買い食いしたりしてます。

イギリス人が大人になって子供時代を懐かしく思い出すとすれば、これら2つかもしれません。

 
もちろん、ハイストリートによっては他にも色々なタイプの店がありますし。

ロンドンには大小を問わず、ショピングモールの類も多いです。

 
ショッピングモールについては、別の機会に書いてみたいと思いますが。

(これまた時代の流れか、ロンドンだろうが地方都市だろうが、どこへ行っても金太郎飴みたいな感じですな)

 
最後までお読みいただき、ありがとうございました!