皆さんこんにちは!

 
いやーロンドンはいよいよ、最高気温が10度前後まで下がりました。

雨も降ったり止んだりで、ジメジメしてますね。

 
さて今回のロンドン日記は、

「イギリスにあって日本にないもの」

を独断と偏見でリストアップします。

 
パイント君が常々

「日本にあればいいのにな〜」

と思っていることです。

 
それでは、早速参りましょう!

公園

公園なんて日本にもあるだろうっ!

…というツッコミは覚悟してます汗

 
いやいや、違うんですよ。

イギリスの公園は日本のものとは全く別物とお考え下さい。

 
日本の典型的な公園を思い出して下さい。

数十メートル四方の砂利の敷地に遊具が置いてあり、

少し大きければ野球やサッカーができるグラウンドがくっついているとか、

そんな感じのものが大半ではないでしょうか。

基本的に、子供かその親、老人、路上生活者しか見かけません。

都会ならランチ中のサラリーマンとか。

 
一方、イギリスの公園は量も質も圧倒的。

「フラット探し(1)」でもお話しした通り。

パイント君はロンドンの「ゾーン2」とそこそこの都心に住んでいますが、

半径500メートル以内に大小含めて10ヶ所以上の公園があります。

 
芝生がデフォルトで、遊具がある場合は必ずウレタンカラーゴムチップ舗装材が敷かれています。

しかも、芝生には入っていいんですよね〜

立ち入り禁止が多い日本のように、緊張感を強いられない。

 
少しでも暖かくなると、どこからともなく半裸状態の老若男女がワラワラと集まってきます。

近所の家族やカップル、友人同士でピクニックしているのもよく見かけます。

ペットと戯れたり、一人で寝転がって読書したり、スケボーをしたり。

皆が思いのままの時間をゆったりと過ごしています。

 
あっ、ハイドパークとかリージェンツパークとか、そういう有名な公園の話をしているワケではないですよ。

家から歩いて行ける、身近な公園の話です。

しかも週末に限らず、平日もこうした光景が繰り広げられます。

 
 
(↑典型的なイギリスの公園)

 
イギリス人にとって、公園というのは気合を入れてわざわざ行く場所ではなく。

あるいは、単なる子どもの遊び場ではなく。

人生の一部として、日常生活に組み込まれているようです。

 
たとえ殺伐としたエリアでも、公園の手入れだけは行き届いており。

ゴミ箱の袋も頻繁に交換されます。

目の前にゴミ箱があるのに、その場に捨てる輩が多いのは困りものですが(苦笑)。

 
公園というのはもちろん、人間の手の入った「人工的な」自然ではあるのですが。

一度イギリスの公園を体験すると、植物や動物に対する接し方が変わって行く自分に気づくことでしょう。

散歩道

イギリスには

「パブリック・フットパス(Public Footpath)」(単にフットパスとも)

と呼ばれる公共の散歩道がそこら中にあります。

 
 
通っている場所は住宅地であったり、川や運河沿いであったり、農地であったり、実にさまざま。

それこそ、全土に網の目のように張り巡らされています。

 
パイント君は東京に住んでいた頃、街中や近所をブラブラするのが大好きでした。

だから散歩好きだとも言えるのですが、フットパスはちょっと違う。

いわば「歩くことそのものを楽しむ」ための身近な道で、

わざわざハイキングなどに出掛ける必要がないんです。

 
これが日本だとキツイ。

特に地方都市は車優先の社会なので、歩くこと自体が変人だと思われる。

安心して散歩できる道がもっとできたらいいなー、と願ってやみません。

ベンチ

どうしてもリラックス系が多くなりますね(笑)。

 
そもそも日本って、ベンチが少な過ぎませんか?

疲れている人が多い国なのに、無料で腰を掛けられる場所がほとんどない。

「見つけた!」と思ったら、店に付属していて何か買わないと座れないとか。

 
公園でベンチに座ろうとしても、路上生活者に占拠されていることが多いし、微妙に湿ってるし。

観光地やショッピングセンターのベンチは混んでて、まず座れない。

バス停にたまにあるベンチはプラスチック製のショボい奴で、けっこう壊れてますよね。

新幹線の駅は座りたいであろう人が多いにもかかわらず、一旦改札を出ると椅子があるケースはまれ。

 
こんなこともありました。

東京の丸の内のとあるベンチで寝転がっていたら、警備員に注意されました。

別の若い男性はスヤスヤ眠ってたのに、同じ警備員に起こされてました。

うーん。ちょっとやり過ぎじゃない?

 
一方、イギリスでは文字通り

「そこら中に」

ベンチなどの座る場所があります。

 
公園や観光地、駅、ショッピングセンターでも、空いてるベンチを探すのは苦ではないですね。

需要より供給の方が上回っているのかもしれません。

 
 
↑素晴らしいと思うのが、亡くなった人の思い出にベンチを寄付する習慣

ロンドンでは区によって金額が違いますが、500〜1,600ポンドくらいです。

 
「In the memory of 誰々〜」「This was his favourite spot…」
といった文字が彫ってあったり、プレートが飾られているベンチを見たことはありませんか?

アレです。

最近は東京などでも見掛けるようになりましたね。

 
ただ供給過多みたいで。

新たなベンチを置くスペースがなくなった公園などは、10年ほどの有効期間を設けています。

これを過ぎると追加料金を支払って延長するか、別の遺族にバトンタッチする仕組みです。

路駐

イギリスでは、繁華街の裏道や住宅地の道路の両側に、ずらっとクルマが停まっているのをよく見掛けませんか?

↓これは、いわば合法的な路駐です。

 
景観もあまり良くないし、適当に停めてあるように見えますが、かなり厳格に管理されています。

 
その中に、Resident Parking Permit(住民駐車許可証)保有者のみが駐車できる住民専用のスペースがありまして。

「Permit holders only」
と書かれています。

 
↑上の写真の例は

「月曜日から土曜日までの午前9時から午後8時までは、区内のゾーンCに住む許可証保有者しか駐車できませんよ〜」

という意味。

逆にいうと、それ以外の曜日と時間帯は誰が停めてもいいワケです。

すごく明快だし、フェアだと思いませんか?

 
その代わり、もしルールを破れば、ほぼ間違いなく無慈悲なメーター係に見つかります。

罰金は高額です。

絶対にナメてはいけません(苦い思い出たくさん)。

 
↓住民用と一般用が混在した、少々ややこしい標識もあります。

 
解読すると、

「月曜日から土曜日までの午前9時から午後8時までは、区内のゾーンCに住む許可証保有者しか駐車できません。そうでない場合は、矢印の方向にある販売機で駐車チケットを購入し、車内の見えるところに置いて下さい。ただし、最大2時間までしか停められず、一度スペースから出たら4時間以内に戻って来てはなりません」

…1つの標識に、これだけの情報量が放り込まれています。

イギリス人でもこんがらがる人が多いそうですよ。

 
さて、このResident Parking Permitはどれくらいの金額で入手できるのか?

区によって千差万別で、エンジンサイズやCO2排出量によって決まるケースもありますが。

パイント君の場合は

年間120ポンド(約17,000円)
です。

 
安っ!

1ヶ月当たりたったの10ポンドで、家の近くにクルマを好きなだけ置けるんですよ!

超中心部の高級エリア、ウェストミンスター区ですら、年間155ポンドポッキリです。

 
後述しますが、ロンドンのフラットは大抵、付属の駐車場が無料です。

パイント君のフラットもシャッター付きの地下駐車場が無料で使えますが、

さらにResident Parking Permitをゲットして、路駐もしちゃうという方式を採用。

これなら、クルマで遊びにきた友人の方のクルマをフラットの駐車場に停めて、自分のクルマを路駐するなんてワザも可能です。

 
ちなみに東京では、駐車場代だけで月40,000円を支払っていました。

路駐は当然、厳禁。

そして高速道路は高額…。

 
カーライフの観点から見ると、ロンドンと東京では正直比較にならないと思います。

無料駐車場付きフラット

上で書いた通り。

イギリスではフラットに駐車場がついている場合、

基本的に無料
です。

 
これは、シャッター付きの屋内だろうが、屋外だろうが同じ。

ペントハウスの場合は2台分があてがわれたり、

車を持っていないテナントが他のテナントに有料で貸す場合もあります。

 
ただ最近は、一部の部屋しか駐車場が付かない新築のフラットも散見されます。

しかも、特定の新開発エリアの住人にResident Parking Permitを交付しないケースもある。

(人口が増えても道路自体は増えないため、停めるスペースを確保できない)

両方に当てはまる人は、お金を払ってどこかで駐車場を借りるしかありません。

 
こういう特例を除き、大抵はフラット(無料)か路上(超安値)に駐車できますから。

ロンドンのような大都市の賃貸物件に住む人のクルマの維持費は、東京と比べ格段に抑えられます。

セントラルヒーティング

冬に里帰りするたびに思うのが、

「日本の家は寒い!」
 
北海道出身の方以外は、同意してくれるのではないでしょうか。

 
何しろ壁は薄いし、窓ガラスは一重がデフォルトだし。

エアコンやヒーターを消して寝ると、明け方には首から上が冷え切っている、

なんてことも。

一番ホッとできるのが、温かいトイレの便座だったりしてね。

 
しかし何よりも、

セントラルヒーティング がない
ことが最大の理由ではないかと。

 
まあ、日本の家屋は、過酷な夏をどう乗り切るかをテーマに発展してきたので。

冬に生きるか死ぬかだった北ヨーロッパとは、そもそも発想が違うんですよ。

 
でも、1つの自販機に「つめた〜い」と「あったか〜い」を共存させることができる日本の技術力を持ってすれば。

冬ももっと快適な家を開発するのは、朝飯前だと思うんですがねぇ。

 
最近は四季を通じて快適なオール電化の家が増えているようですが、ほとんどはエアコンか蓄熱暖房機、床暖房がベースじゃないですか?

 
ここで話しているセントラルヒーティング は、ボイラーベースです。

(東欧などでは地域暖房といって、建物全体どころか町全体での熱供給システムが発達しています)

 
ボイラーで沸かした温水で家全体を暖めるため。

各部屋や廊下間の温度差が小さくなり、結露が少なくなります。

これとサーモススタットの組み合わせは最強!

 
バスルームも快適で、特に好きなのが暖房も兼ねたタオル掛けですね。

(コレ↓)

 
寒い日にシャワーを浴びた後のバスタオルが気持ちいこと!

 
…とはいえ。

イギリスの民家には基本的にクーラーがないので、できるワザかもしれません。

夏場に30度を超えることが珍しくない昨今、イギリスはむしろ冷房の問題の方が深刻です。

 
完璧な国はありませんね。

 
…では、今回はこの辺で。

このテーマは他にもネタがたくさんあるので、またの機会に。

 
海外移住、脱サラ、フリーランスを目指している方をはじめ、皆さんのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!