いやー、週末はラグビーW杯の決勝戦ですね。
ハリー英王子も横浜で観戦するらしいですよ。
パイント君は、イングランドが優勝しそうな気がします。
さて今回は。
イギリスでオートバイまたはスクーターに乗る方法を伝授します。
自動車に比べると少数派かもしれませんが、興味のある方は読み進んで下さい。
また、思わせぶりなタイトルは何を意味するのか?
普通自動二輪免許(旧中免:今もこう呼ぶ人が多い)所持者には、メリットのある話かもしれませんよ。
ではまず、イギリスの二輪免許の種類について簡単に説明しますね。
CBT/Lプレート
あなたが17歳以上であれば、「CBT(Compulsory Basic Training)」という講習を受け、
「Lプレート」と呼ばれる初心者マーク(Lはlearnerの意)のようなものを前後に付ければ、
排気量が125ccまでのオートバイまたはスクーターに乗ることができます。
(ちなみに16歳だと、50ccまでのスクーターに乗れます)
↓これがLプレート(前のはどちらかでOK)
Lプレートの場合、
・高速道路を走れない
・二人乗りができない
・2年で失効
という制限があり。
これらが嫌な人は、
日本の大型二輪免許に相当するフルライセンス「A」
を取得して下さい。
フルライセンス「A」
「A」を取得すれば、上の3つの制限がなくなるだけでなく、どんなサイズのオートバイ/スクーターにも乗ることができます!
(*「Lプレートのままでいいよ」という人は、2年後に改めてCBTを受講することになります)
以上のように、イギリスをはじめとするヨーロッパでは、125ccが法的・心理的な境目となります。
ここが、50ccと400ccが主な境目である日本との最大の違い。
サイズよりも年齢と経験を重視していることが伺えます。
欧米では600cc辺りが標準的な中型バイクですが、日本の普通二輪免許(かつての中免)だと乗れませんもんねー。
で、「A」をゲットするには
・CBTを受講する
・学科試験(Theory)に合格する
・技能試験(Practical)に合格する
の3つをクリアする必要があります。
ただし、「A」には「A1」と「A2」の限定免許がありまして。
A1
これは17〜18歳が対象で、・125ccまでのオートバイまたはスクーターに乗れる
・高速道路を走れる
・二人乗りができる
・有効期限なし
というもの。
要は、Lプレートから排気量以外の制限を取り除いたものですね。
A2
こちらは19歳〜が対象で、・出力35キロワット(46.6馬力)までのオートバイまたはスクーターに乗れる
・高速道路を走れる
・二人乗りができる
・有効期限なし
となります。
「A」をゲットするまでの過渡的な免許と考えて差し支えないです。
19歳になるまで待つ手も
Lプレートと「A1」の違いが高速道路と二人乗りくらいなものですから。19歳になるまで待ち、「A1」をすっ飛ばして「A2」に行く手もアリですね。
オートバイに憧れているイギリスの若者は
「早く19歳にならないかな〜。Lプレートなんてしゃらくさい物はとっとと外して、好きなバイクに乗りたい!」
という感覚を持っており。
晴れてLプレートを卒業したら、金銭的・能力的に身の丈にあったマシンを探すことになります。
ここで気になるのが「出力35キロワット(46.6馬力)まで」の部分。
日本の王道モデル・ホンダ「CB400 SF」の最高出力が41キロワット(56SP)ですから、
当面は「中型バイクで経験を積め」ということなのでしょう。
(*ただし、実際にはこれを上回る出力のバイクにも乗れます。方法を知りたい方はお問い合わせ下さい。)
「A」ゲットには2つの道
以上を踏まえた上で。フルライセンス「A」をゲットするには、2つの道があります。
(1) 段階的アクセス(Progressive Access):
21歳以上24歳未満で、「A2」を少なくとも2年間所持している
(2) 直接アクセス(Direct Access):
24歳以上であれば、「A2」以下を取得したことがなくても「A」に挑戦できる
…「A1」を経由しないと、24歳になるまで「A」は取れないということですね。
なので、「A」に至る代表的なパターンとしては、バイクデビュー年齢ごとに以下が考えられます:
・16歳で50cc Lプレート → 17歳で125cc LプレートまたはA1 → 19歳でA2 → 21歳でA
・17歳で125cc LプレートまたはA1 → 19歳でA2 → 21歳でA
・19歳でA2 → 21歳でA
・24歳でA
イギリスの教習・試験は公道に出る
ところで、日本の教習所で二輪免許を取得する場合は、公道に出ることが一度もありません。これは異常なことだと思います。
一方、イギリスでは。
一発試験である技能試験を受ける前に、専門の教官から訓練を受ける(どこかに集まってやる場合がほとんど)人が大半ですが。
いきなり高速道路を走らされたりするそうですよ!笑
Lプレートと「A1」の違いが高速道路を走れるかどうかなのだから、当然ちゃ当然ですけどね。
パイント君は、イギリスの制度の方が好ましいと思うのですが、いかがでしょうか?
「A1」の技能試験
「A1」の技能試験は、・モジュール1:試験場で行う
・モジュール2:公道で行う
の2段階方式。
モジュール1に合格した人が、モジュール2に進む仕組みです。
モジュール1は、スラロームや8の字など、日本の教習所での試験をイメージしていただければ。
モジュール2は、インカムを付けて、教官の指示に従って運転します。
試験の詳細については、以下のリンクをご確認下さいませ:
https://www.gov.uk/motorcycle-test
日本の中免はどのような扱い?
今度は、日本の免許証からイギリスの免許証に切り替える場合を考えてみましょう。(a) 大型自動二輪免許を持っている人
→当然ですが、どのサイズのオートバイ/スクーターにも乗ることができます。
(b) 普通自動二輪免許(かつての中免)を持っている人
→どうなるか分かります?
答えは
どのサイズのオートバイ/スクーターにも乗ることができる
ですっ!!
いやーまさかの僥倖。
パイント君のイギリスの免許証をお見せします。
裏側を見ると↓
「A」が燦然と輝いてますよね?笑
実際、イギリスに来てからずっと(日本でいう)大型バイクに乗っております。
なので、あなたが24歳以上で、日本の普通二輪免許を所持しているのであれば。
イギリスの免許に切り替えると、400cc以上のバイクにも乗れることになります。
(21〜23歳の方は、どのような扱いになるのかちょっと分かりません。ご自分でDVLA=陸運局にお問い合わせ下さい)
しかもですよ。
里帰りなどの際に、前回の「イギリスで運転する方法」でお話しした国際運転免許証をイギリスで入手すれば、
法律上、日本でも大型バイクに乗れちゃうんです!
パイント君の国際免許証をご覧下さい。↓
右側のページにハンコが押されているのが、日本で乗れる乗り物。
ちっと分かりにくいですが、一番上が「A」で、左側のページに
「Motor cycles, with or without a side-car…」
とあります。
日本語でも別のページに
「二輪の自動車(側車付きのものを含む。)…」
と書いてありますよ。
…いかがですか?
完全に合法です。
以上のように、国境を越えると法律の「歪み」が生じる場合があるんですね。
これは悪用とかそういう話ではなく、事実としてお伝えしているまでなので。
あとはご自分で判断して下さい。
おまけ:オートバイは英語で何と言う?
実は、「オートバイ」は和製英語です(ガーン)。「バイク」という呼び方も微妙でして。
イギリスでは、バイクと言えば「自転車」のこと。
最近は日本でも自転車を「バイク」と呼ぶケースがあるようですが、スポーツ用に限られていますよね。
(普通のは「自転車」か「チャリ」)。
ややこしいなー。
で、オートバイの正しい英語は
「モーターサイクル(Motorcycle)」
か
「モーターバイク(Motorbike)」
となります。
…では、今回はここまで。
脱サラ、海外移住、フリーランスを目指している方をはじめ、皆さんのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
今もイギリスにおいでですか?
私もまったく同じことが起こりました!日本で中免をを取って、イギリスで書き換えた時大型になっていました。今は日本で知り合いにあげてきたバイクが本当に恋しくて、購入したいなあと考えていますが、簡単に盗まれるような気もしたり、他は、乱暴な運転の車の運転手にはねられるのではないかと、などなど、購入するところまでに至っていません。
もし、イギリスにまだ住んでおられましたら、メールでやり取り出来たら楽しいかなと思います。(中免がイギリスで大型になったのはラッキーですが、背が低く体も小さいので、結局大きいのには乗れません。)良ければお便り待っています。この記事だけを読んだので、他の記事も拝見させていただこうかなと思っています。
そうでしたか、同じような体験をされたんですね。
今は日本に帰国しましたが、イギリスの免許は維持しています。
一つ言えるのは、バイクの運転は日本よりイギリスの方が安全だし、楽しいということです。
それは日本は交通ルールを守ることそのものが重要なのに対し、イギリスは一見ぐちゃぐちゃなようで、交通の流れを見極めながら運転することが大切だからです。
なので、是非(大型でなくてもいいので)イギリスでバイクに乗ってみて下さいね!