皆さんこんにちは!

パイント君です。

 
前回の「フラット探し(3)」では。

フラット探しの際のポイントや注意点を皆さんとシェアしました。

 
最終回となる今回は、いよいよ。

実際に借りる際の具体的な手続きについて、詳しくご説明いたしますっ!

条件に優先順位を付けよう

さて。

友人・知り合いの紹介にせよ、

クラシファイドで見つけたにせよ、

オンライン検索で巡り合ったにせよ、

ハイストリートの不動産屋に提案してもらったにせよ。

 
これぞ!という物件を見つけたら、即、契約にこぎ着けましょう。

なんども言いますが、フラット探しは「スピードが命」!

 
そのためには、あらかじめ

自分が理想とするフラットの諸条件に優先順位を付けておく
ことが大切。

 
例えば、

「週150ポンド以下」

「セキュリティー上、1階には住みたくない」

「駅から歩いて10分以内か、バス停の真ん前」

「公園の近くがいいな」

「共同バスルームがトイレと別々」

「北向きでなければどの方角でもいい」

「キッチンはガスコンロでなきゃ嫌」

「二重窓(Double-glazed)はマスト」

「できればオートロック」

…などなど。

 
全ての条件を満たすフラットなど、まず存在しません。

予算に限りがあれば、なおさらです。

 
イギリスは、人が住んでいてもビューイング(内見)が可能ですので。

実際にこの目で見て、ある程度納得できるのであれば。

手付金(Holding deposit、通常は1週間分)を払ってでも、物件を押さえましょう。
 
ただし!

いくら7〜8割方、条件を満たしていたとしても。

自分がそのフラットに住む姿が想像できないのであれば、絶対にやめた方がいいです。

アナタが、その物件からマイナスのバイブを感じ取っている証拠ですから。

自分の直感を信じましょう!

交渉のコツ

さあ、ようやく気に入った物件が見つかりました。

しかし、ここからが大事!

 
特に不動産屋経由であれば、

「家賃が少し高めに設定してある」ことを疑いましょう。

 
不動産屋というのは、大家から委託されてテナントを探しているワケで。

(何社かに委託している大家もいます)

その際、賃貸市場の動向を見ながら、その物件の家賃をいくらに設定すべきかを話し合って決めたはずです。

 
大家は:できるだけ高く貸したい

テナントは:できるだけ安く借りたい

不動産屋は:高く貸して賃貸市場を盛り上げたい(儲けたい)のは山々だが、借り手がいなくなるのもマズイ

 
…という構図の中で、不動産屋は現実的な落としどころを大家にアドバイスするのです。

 
なので、大家側の最初の言い値は

「あわよくばこれで借りてくれんかなー」

である公算が大きい。

 
貸し手市場である現在、テナント側が強気に出るのは非常に難しい気がするのですが。

実はあっさり、こちらの希望が通ることもしばしば(パイント君経験談)。

それは、不動産屋の反応で一発で分かります。

「大家に聞いてみる。多分大丈夫だと思う」→まず間違いなくオーケー

「うーん、一応大家に聞いてみるけど」→無理か、あいだを取るか

「これがギリギリ」→借り手はいくらでもいるんだ、ツベコベ言ってるとほかの奴に貸すぞ

 
なので、不動産屋の反応を見ながら、ダメ元で値切ってみましょう!

 
ちなみに、何ヶ月も賃貸広告が出ている物件、頼んでもいないのに値下げしてくる物件は「ワケあり」の可能性が高いので。

手を出さない方が無難です。

 
おっとそれから。

前回もお話しした通り。

正式オファーを出す前に、

家賃に水道光熱費、インターネット、カウンシルタックス、TVライセンスが含まれるかどうか、しっかり確認すること!

 
また、家具などの備品の状態がひどかったり、要らない備品があると感じた場合。

「ソファが壊れているので、交換して欲しい」

「このテーブルは必要ない」

「壁紙が剥がれているので、入居までに貼り直して欲しい」

など、こちらの要望を早めに伝えておくようにしましょう。

一旦契約を交わしてしまえば、手遅れですので。

常識的に正当な主張であれば、聞き入れてくれる可能性大です。

 
とにかく、外国では「性悪説」に基づいて行動すべきであり。

必要な自己主張はできるだけしておかないと、必ず痛い目に会います。

ちょっと図々しいくらいがちょうどいいです!

いよいよ契約

さあ、こちらのオファーが通ったら、いよいよ契約です。

おめでとうございます!

 
ただ、契約には無数のパターンがありまして。

・大家が出したクラシファイド/オンライン広告で見つけたので、大家と直接交渉→契約(契約書あり)

・大家が出したクラシファイド/オンライン広告で見つけたので、大家と直接交渉→口約束(契約書なし)

・テナント代表(ヌシみたいな人)と間接的に交渉→契約(契約書あり)

・テナント代表(ヌシみたいな人)と間接的に交渉→口約束(契約書なし)

・不動産屋の紹介で間接的に交渉→不動産屋が契約を仲介(契約書あり)
 
・不動産屋の紹介で間接的に交渉→大家と直接契約(契約書あり)

…などなど。

 
しかし、長期滞在ともなれば。

イギリスに合法的に住んでいることを証明しなければならない場面が多々出てきます。

なので、是非とも賃貸借契約書(Tenancy agreement)は交わしておきたいところです。

揉めごとが起きにくいのは、黄色でハイライトした

・不動産屋の紹介で間接的に交渉→不動産屋が契約を仲介(契約書あり)

ですが。

契約形態は結局、その物件をどうやって見つけたのか、それから大家の好み次第でしょうね。

 
家賃の支払い(取り立て)パターン
これまた大家の好みですが。

頻度はpcm換算した月払いが普通だと思うけど、刹那的に(?)週払いのパターンもあり得る。
 
支払い方法は、銀行口座からの引き落としが主流だと思います。

でも、大家と同居なら手渡しかもしれないし、テナント代表が集金するケースもなくはない。

 
契約時に必要なお金
デポジット(敷金):通常は4週間分

運が良ければ(苦笑)、退出時に全額戻ってきます。

前家賃:1ヶ月分

契約手数料:不動産屋に200〜30ポンド支払うことが多い

その他:レファレンス(照会・身元証明)費用など

*手付金は、実際に契約に至ればその分が差し引かれるが、契約しなければ戻ってこない

 
レファレンス
レファレンスとは、上に書いたように、照会・身元証明を指します。

・職場や上司、学校に、問題のない人物であることを証明してもらう

・家賃の支払い能力を示すため、銀行の残高証明を提出する(日本から来たばかりの場合は日本の銀行口座の可能性も)

・前の大家から推薦してもらう

…ケースバイケースですが、上のようなレファレンスの提出を求められる可能性があります。

面倒ですが、やるしかありません(;´д`)

 
契約の更新・解約
通常は12ヶ月契約で、デフレ傾向でも更新時に値上げされる場合が多い。

住宅市場が冷え込むと売買物件の流通量が減り、住宅不足を引き起こして賃貸物件の相場を押し上げるためと思われ。

 
解約条項(Breaking clause)を盛り込んでいれば、通常は6ヶ月での途中解約が可能かと。

その際、1ヶ月か2ヶ月前に退出を事前通知(Notice)するよう求められます。

まあ、大家との関係性にもよりますが。

 
実際の退出日が月の途中だった場合は、退出までの家賃が日割りで計算されるのが普通です。

 
契約書への署名
(不動産屋が作ってくれた)契約書のドラフトをよく読み、100%理解した上で署名します♪
特に契約期間、解約条項、日割りなどの条件については、目を皿のようにして確認しましょう!

少しでも誤りがあれば、放置せずに先方に伝えるべきです。

パイント君は、一発目で署名したことは一度もありませんし(苦笑)。

 
最近は電子署名で済ませる場合が多いかなー

最後の儀式

契約を済ませたからと言って、直ちに住めるワケではありませぬ。

「インベントリー・チェックイン(Inventry check-in)」
という入居前の儀式が必要なんです!

 
インベントリークラークという第三者の専門家が、約束の日時にふらっと現れ。

テナント立ち会いの下で(立ち会わなくてもいいが、立ち会った方が身のため)、

リストに従って物件の内装や設備の状態、備品の有無、メーターの数値などをチェックするのです。

 
いわば、レンタカーを借りる時の、ビフォー&アフターのチェックみたいなもん。

退出の際は

「インベントリー・チェックアウト(Inventry check-out)」
を行い、壁の傷が増えたかとか、床のシミが新たにできたとか、食洗機がちゃんと手入れされていないとか、チェックイン時と比較することになります。

これにより、敷金がいくら戻ってくるか決まるざんす!

根拠もなく、大家に全額取られるということはありません。

 
…というと、聞こえがいいでしょ?

「イギリスって何て素晴らしい制度を持ってるんだっ。日本も見習って欲しいわー」って。

 
しかし、何事もウラオモテがありまして。

良い点
・利害関係のないクラークが厳格な手続きに従って公正に行うので、言った言わないが起きにくい

・備品に問題がある場合に、大家に改善を義務付けてもらえる(カーテンレールが壊れてるから直せ、など)

・セントラルヒーティングやボイラー、家電の使い方、ドアの施錠・開錠の仕方、窓の開け方がその場で分かる

悪い点
・チェックイン時に見落とされていた「アラ」(壁の釘など)が、チェックアウト時にテナントのせいにされる

・チェックインのクラークが大雑把で、チェックアウトのクラークがクソ真面目な場合、テナントに不利になる

・制度が形骸化しており、金がかかるだけで、本当に大家・テナントの為になっているのか怪しい

 
パイント君は色々と苦い思い出があるので、最近はクラークにぴったりくっついて、見落としを指摘したり、口を挟んだり、質問攻撃をしたりするようにしています。

 
チェックインは1時間以上かかります。

終了したら、めでたくキーの受け渡しとなります!

(チェックインが契約日より前だと、その場でキーはもらえない)

 
しばらくしたら、チェックイン・リポートが届きます。

一定期間内であれば、見落としや間違いを修正してもらえます。

これも、目を皿のようにしてチェックしましょうね!

 
なお、電力会社、ガス会社、水道会社の名義変更は、通常は不動産屋がやってくれます。

インターネット(固定電話も)、TVライセンス、衛星放送、ケーブルテレビなどは、基本的にテナントが自分で手配しなくてはなりません。

特にインターネットは、引っ越し当日に工事の予約をしておくぐらいの勢いで行きましょう!

パイント君にとっては、ネットは死活問題です。

まとめ

4回にわたってお届けした「フラット探し」。

いかがでしたでしょうか?

皆さんの住居探しに、少しでもお役に立てれば幸いです。

 
冒頭で申し上げた通り。

衣・食・住で最も重要なのは、圧倒的に「住」
でございます。

 
是非ともお気に入りの部屋を探していただいて。

イギリス(ロンドン)でのハッピーライフを満喫して下さい♪

 
不動産絡みはまだまだネタがあるので、また別の切り口からお役立ち情報をシェアしたいと思います。

もちろん、質問も受け付けますよ。

 
脱サラ、海外移住、フリーランスを目指している方をはじめ、皆さんのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!