皆さんこんにちは!
パイント君です。
EU離脱強硬派のボリス・ジョンソン氏が首相に就任してから、はや1ヶ月が経ちました。
このまま行けば、10月末には「合意なき離脱」となるのはほぼ確実。
我々日本人としては、ビザ制度がどうなるかが気になるところです。
もちろん、最も影響を受けるのはイギリスに住むEU市民ですが。
日本人が玉突きでとばっちりを受ける部分は、必ずや出てくるでしょう。
で。
ブレグジットを巡る情勢が不透明だったこともあってか。
あるいは、EU離脱後はどっちみち大幅な制度変更が必要になるためか。
毎年4月に改正されることが多い移民法は、2019年は現時点でほとんど動きが見られず。
パイント君は皆さんに不確かな情報を提供したくなかったため、状況を注視していたのです。
スミマセンm(_ _ )m
そこで今回は。
ビザ制度のおさらい
をした上で、
(ビザに限らず)日本人に関係のある変更点
について、最新情報をシェアしようと思います。
ビザ制度のおさらい
さて、随分前にイギリスのビザ制度(1)
というブログを書きました。
その際、パイント君が独自に作成した表がコレです↓
入国・滞在の目的♪ | 該当するビザの種類♪ | さらに細かい分類♪ |
観光 | 観光ビザ | |
出張 | ビジネス訪問者ビザ | |
短期留学 | Short-term study(短期学生)ビザ | |
長期留学 | Tier 4 | General studentビザ |
Child studentビザ | ||
インターンシップ | Tier 4 | (長期留学の場合はインターンシップが可能) |
Tier 5 | Temporary Worker -Government Authorised Exchangeビザ | |
ボランティア/宗教活動 | Tier 2 | Minister of Religionビザ |
Tier 5 | Temporary Worker -Charity Workerビザ | |
Temporary Worker -Religious Workerビザ | ||
アーティスト/スポーツ選手 | Tier 2 | Sportspersonビザ |
Tier 5 | Creative and Sportingビザ | |
ワーキングホリデー | Tier 5 | Youth Mobility Schemeビザ |
長期就労 | Tier 2 | General workビザ |
転勤 | Tier 2 | Intra-company Transferビザ |
支店設立 | Sole Representative(単独代表者)/Representative of an Overseas Businessビザ | |
起業 | Tier 1 | Entrepreneurビザ |
Graduate Entrepreneurビザ | ||
Innovatorビザ/Start-upビザ | ||
投資 | Tier 1 | Investorビザ |
結婚 | 欧州経済領域(EEA)家族ビザ | EEA Residence Card |
EEA Family Permit | ||
イギリス家族ビザ | Spouse and Civil Partnerビザ | |
Fiance(e) or Proposed Civil Partnerビザ | ||
Unmarried Partnerビザ |
黄色でハイライトしたものが、フツーの日本人が関係しそうなビザです。
つまり
・観光ビザ
・Short-term study(短期学生)ビザ
・Tier 4のGeneral studentビザ
・Tier 5のMobile Youth Schemeビザ
プラス、パイント君が取得した
・Tier 2のGeneral workビザ
の5つ。
これらについては、先ほど申し上げた通り、ほとんど変更が見られず。
しかし、ブレグジット後は(当然のことながら)、
Tier 2のGeneral workビザ
が大きく見直されるのは確実です。
General workビザはどうなる?
ブレグジット後、Tier 2 General workビザは一体全体どうなるのか?それは誰にも分かりません。
何しろイギリスですから!
とはいえ。内務省はかねて、
「ブレグジット後に新たな移民制度を導入する」
「Tier 2 General workビザの年間発行上限を撤廃し、EEA市民にもビザ取得を求める」
と話しています。
General workビザは現在、年間2万700人の発給上限が定められてますが。
これが撤廃されたからと言って、日本人のビザ取得が容易になるほどコトは単純ではありません。
移民助言委員会は「人材不足職業リスト(SOL)」の見直しを行い、5月に
EEA域外市民のビザ取得が優先される対象職業の拡大
を政府に提言したそうです。
SOLというのは医療、IT、科学、技術、工学、数学などが対象で、今回の見直し案はあくまでこの範囲でのこと。
日本人を含む外国人で重宝されるのは、こうした分野で働く人々であることを肝に命じておきましょう。
これは世界的な潮流でもあります。
でも諦めてはいけません!
やる気があって能力を磨けば、労働ビザの取得は十分可能です。
注目のStart-upビザ
実は、上の表でしれっと赤字にしている部分があります。それは
Innovatorビザ/Start-upビザ
です。
特にStart-up(スタートアップ)ビザ。
前回の投稿時点では、全貌がよく分からなかったのですが。
これらはどうやら
Tier 1のEntrepreneur(起業家)ビザ
の後釜みたいで。
当局のウェブサイトを見ても、
「Innovatorビザ/Start-upビザのコーナーを見よ」
と書いてあります。
「へー、でもフツーの日本人に関係あるのかい?」
と言われそうですが。
それが「ないとも言えない」のです。
というのも。
Entrepreneur(起業家)ビザが、最低20万ポンドの資金力を証明する必要があったのに対し。
Start-upビザの場合は、
「革新的なビジネスプランを提出する」
「採算と成長が見込める」
「既存ビジネスへの参加はダメ」
としか書いていないのです!
しかも申請料は、イギリスの外に住んでいる人が申請する場合、
363ポンド
ポッキリ。
もしかしたら
エストニアのデジタルノマド・ビザ
を意識しているのかもしれません。
なお、有効期間は2年で、延長はできないとのこと。
革新的なビジネスプランを持っているアナタ。
トライしてみる価値はあるかも。
IHSの引き上げ
ここからはビザに直接関係ありません。しかも、いいニュースと悪いニュースがあります。
まずはバッドニュースから。
2018年1月8月からIHSが引き上げられました。
従来は年間1人当たり
200ポンド(学生とYouth Mobility Schemeは150ポンド
だったのが、
400ポンド(学生とYouth Mobility Schemeは200ポンド)
へと何と倍増!ェェ(゚Д゚)ェェ
(前回言い忘れてスミマセンでした)
あっ、IHSとは
Immigration Health Surcharge(移民医療付加金)
の略で、
「非欧州経済領域(EEA)市民がイギリスのビザを取得して6ヶ月以上滞在する場合、ビザ申請時に支払わなければならない医療費」
のことです。
イギリス人自慢のNHS(国民医療サービス)はかつて、外国人も旅行者も無料でしたが。
2015年4月6日にIHSが導入され、それも今は昔。
パイント君は永住権を持っているので、ラッキーなことに支払う必要はないですが。
他人事とは思えません。
どの国も医療費の高騰で財源が足らなくなっているので、これも時代の流れなのかも…。
eパスポート・ゲートを日本人が利用できるように!
最後はグッドニュースで締めましょう。5月20日から、
日本人もイギリス・EU市民と同じeパスポート・ゲートを利用できる
ことになりました\(^o^)/
なんでも、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、シンガポール、韓国、アメリカと並んで
「低リスク国」
に認定されたとかで、入国審査時の大幅な待ち時間短縮が期待できます。
年会費を支払えば優先的に入国できる「レジスター・トラベラー制度」に登録されていた方もいるかと思いますが。
めでたく、その必要もなくなりました。
さらに、やはり5月20日から、
入国カード(Landing card)の記入・提出が不要
になりました\(^o^)/
これは全外国人が対象の措置です。
パイント君はこの入国カードが嫌いで嫌いで。
廃止は非常に嬉しく思います。
たまにはやるぞ、イギリス政府!
というワケで、今回はこの辺で。
またビザ制度に大幅な変更があれば、お知らせいたします。
あっ、各種ビザについても掘り下げないとね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!