パイント君です。
イギリスに限らず、外国で生活する際に頭を悩ませるのが、
海外送金の問題
です。
このテーマはなかなか業が深いので、
例によって(苦笑)数回に分けてシェアして行きますね!
銀行の送金手数料は高過ぎる(怒)
あなたが「今住んでいる国で収入があり」
なおかつ
「支出も基本的にはその国でしかしない」
のであれば良いのですが。
なかなかそうも行きません。
例えば、運良くイギリスで合法的に働くことができるようになったとしても。
「里帰りの際にそれなりに出費がある」とか、
「日本で住宅ローンが残っている」とか、
「身内に仕送りしなければならない」とか。
何かとお金がかかりますよね。
パイント君はけっこう頻繁にロンドンと東京の間を往復していますから、
どうしてもイギリスから日本に送金しなければならないケースが出てきます(逆も然り)。
同じような状況の方の場合。
日本での貯金を切り崩すのが難しければ、やはりイギリスでの収入の一部を日本の銀行に送金するしかありません。
(イギリスでの給与も一部日本に振り込まれてるよって方は、読み飛ばしていただいて結構です!)
反対に、イギリスでの生活費を日本の円口座から賄っている方も多いことでしょう。
特に留学生の方はそれが普通かもしれません。
しかし、どちらにせよ!
これだけインターネットが発達し、海外旅行も当たり前の時代になったのに。
一番進んでいそうな金融業界は、実に旧態依然としています。
まあ、「租税」とか「マネーロンダリング」とか「国家安全保障」とかが絡んでくるので。
色々な事情があるんでしょうが。
それにしても、
手数料が高過ぎ!(怒)
大した作業じゃないじゃんか〜
やはり国境の壁は厚いですな。
送金手数料はイギリス側と日本側の両方でかかる可能性があり。
その上、為替手数料(上乗せレート、要はスプレッド)も取られます。
しかも、ここ数年のポンド安で、
今にユーロと「パリティ(同価値)」になるんじゃねえの?
って御時世ですからねー。まさに三重苦。
手数料の種類
さて、海外送金の手数料といっても色々あって。具体的には:
- 送金手数料
- 受取手数料
- 中継銀行手数料
- 為替手数料
- リフティングチャージ
- 円為替取扱手数料
などが挙げられます。
送金にかかる日数は経験上、4営業日ほど見ておいたほうがいいでしょう(遅っ!)。
ただ、手数料や日数などは銀行によってまちまちと思われますので、
個々のケースがどうなるかは
「送ってみなければ分かりません」。
ここでシェアする情報は、あくまでパイント君の経験に基づいたものですので、その点はご了承下さい。m(_ _)m
シミュレーションしてみよう
では、パイント君が実際に使っている口座で、シミュレーションをしてみましょう。送金元(イギリス側)はナットウェスト(NatWest)銀行
送金先(日本側)は三菱UFJ銀行
です。
日付は2018年12月28日。
(ちょっと古いですが、数字が計算しやすかったので、敢えてこれにしました)
NatWestは、送金額(ポンド指定)か受取額(円指定)のどちらかを選べるのはいいですね。
今回は「2,000ポンド」を送金することにします。
適用される為替レートは1ポンド=約136.848097円で、
円換算では「273,696円」となります。
送金手数料(NatWestの場合は「handling fee」と呼んでいる)は、送金スピードによって
・Standard (スタンダード、2〜4営業日):22ポンド
・Urgent(アージェント、1〜2営業日):30ポンド
の2種類から選べます。
ここでは「Standard」を選択します。
手数料については、
・Pay all fees(送金者が全ての手数料を負担する)
・Pay NatWest fee only(送金者がナットウェスト側の手数料のみ負担する)
・Recipient pays all fees(受取人が全ての手数料を負担する)
の3つの選択肢があります。
ここでは「Pay all fees」を選択します。
そうすると、自動的に
NatWest handling fee(Standard):22ポンド
Foreign bank handling fee:12.5ポンド
と出てきます。
「Foreign bank handling fee(外国銀行手数料)」は、恐らく受取手数料です。
というのも、「Pay NatWest fee only」を選択するとこれが消え、
「Please note that the foreign bank may deduct a handling fee from the amount sent.(外国銀行が送金額から手数料を差し引く可能性があります。)」
というメッセージが現れるからです。
受け取り側の三菱UFJがどれほどの受取手数料を課すかは知らんよーという訳です。
個人的に「Pay NatWest fee only」を試したことはないのですが、日本側でも間違いなく数千円は取られるでしょうね。
いずれにせよ、イギリス側の口座から引かれるか、日本側の口座から引かれるかの違いです。
という訳で、2,000ポンドをNatWestの銀行口座から普通に送金すると、
合計2,034.50ポンド
が引き落とされることになります。
問題は為替手数料です。これは目に見えませんが、その日の為替レートを調べることで、どれだけ上乗せされているかが大体分かります。
Yahoo!ファイナンスによると、この日の似たような時間帯の為替レートは
1ポンド=140.169934
でした。
つまり、単純に引き算をすると、
140.169934−136.848097=約3.322円
もの為替手数料が上乗せされていることになりますっ。
(*あくまで身近なYahoo!ファイナンスと比べた場合の乱暴な計算です。厳密には以下の説明をお読み下さい)
こりゃ不満がたまりますわな。
パイント君なんざ、この方法で10年以上やってきました。
我ながらいいカモだと思いますが、以前はそうするしか方法がなかったんです!
TTS、TTB、仲値とは?
さて、ここで「TTS」と「TTB」について説明しましょう。TTS? TTB? 何だそれ?
…確かに聞き慣れないですよね。
ではまず、下のスクショをご覧下さい。
これまた12月28日の似たような時間帯の為替レートです。
TTS:Telegraphic Transfer Selling=電信売相場の略で、顧客が自国通貨を使って外貨を買う際の適用レート
TTB:Telegraphic Transfer Buying=電信買相場の略で、顧客が外貨から自国通貨に交換する際の適用レート
これらの基準となるのが「仲値」(TTM)で、TTSとTTBのちょうど中間値となります。
上のスクショにはありませんが、1ポンド=140.46円ですね。
このように、日本ではポンド/円の場合、TTSとTTBが仲値の±4円となることが普通です。
つまり、銀行口座を使って海外送金をすると、
ポンド/円なら片道4円の為替手数料がスプレッドとして発生する
ことになりますっ!
しかも送金額に比例して増えて行くと(率は同じ)。
まさに「ボッタクリ」ですな。
で、NatWestのケースに戻ります。
イギリスに住んでいるパイント君は
2,000ポンド(こっちが自国通貨)を使って円(外貨)を買う
ことになります。日英の立場が逆転するわけですから、
TTSが1ポンド=約136.848097円
ということになろうかと。
先ほどは、乱暴にヤフーとNatWestを比較して約3.322円のスプレッドを弾きだしましたが。
実際は、イギリスの銀行もポンド/円のTTSとTTBを仲値の±4円辺りに設定していると思われます(検証不足ですみません)。
仮に1ポンド当たり±4円とするとですよ。
2,000ポンド送金する場合は
2,000 × 4 = 8,000円
何とスプレッドの総額は8,000円!
従って、ポンド/円レート(仲値)が140円のときに2,000ポンドを日本に銀行送金したら、
最低でも何と
送金手数料の32.5ポンド(4,550円)+為替手数料の8,000円
=12,550円
が課されることになりますっ!!
流石にこりゃ、やってられませんわ。
何とかしなくては…
今回のおさらい
では、ここまでのおさらいです:- 銀行口座を使った海外送金は、色々な手数料が上乗せされるので割高
- NatWestの場合、例えばイギリスから日本へ2,000ポンドを送金すると、最大34.50ポンドの手数料が発生する
- 2,000ポンドの中には別途、為替手数料が含まれ、片道4円(計8,000円)ほどのスプレッドを取られる
- 従って、1ポンド=140円のときは、単純計算で12,550円損する計算になる
次回はいよいよ、銀行経由よりおトクな送金方法をお伝えします♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました!